「血尿・蛋白尿」に関連する病気として次のものが挙げられます。
- 膀胱がん
- 腎盂がん(じんうがん)
- 尿管がん
- 前立腺がん
- 尿路結石症
- 膀胱炎
- 腎炎
血尿・蛋白尿
血尿とは文字通り尿に血が混じることです。おしっこをする時に痛みや残尿感などの症状を伴う場合もありますし、何も症状がなくただ尿に血が混じっている場合もあります。目に見える血尿の場合もありますし、自分の目では見えてなくても検診で血が混じっていると指摘される、つまり顕微鏡で見ると血が混じっているという場合も血尿と言います。
蛋白尿は腎臓に何らかの異常が起きていることを示すSOSのような役割をになう検査異常です。
腎臓という臓器は「必要な物を体に留めて、不要な物をろ過して尿として体の外に出す」臓器です。腎臓の糸球体(しきゅうたい)というフィルターのような構造がこの役割を担っており、蛋白は私達の体にとって必要な物なため原則外に出ることはありません。
尿中に蛋白が混じっているということは、糸球体をはじめ腎臓に何らかの異常がある可能性があります。
悪性腫瘍や結石、膀胱炎、性感染症、腎臓の内科的な病気など様々なものがあります。
また、悪性腫瘍は生命を脅かす危険があるため、早期発見が必要です。そのなかには、膀胱がん、腎がん、前立腺がん、尿管がん、腎盂がんなどがありますが、膀胱がんは顕微鏡的血尿で診断される悪性腫瘍の中で最も多いがんです。尿路結石症では、ほとんどの症例で顕微鏡的血尿をともなっています。膀胱炎でも、膿尿と血尿を伴う場合があります。これらの病気をはやく発見するためには、健診や人間ドックなどによる尿検査が重要です。
腎臓機能低下や膀胱炎、疲労、体質など様々なものがあります。
腎臓は血液をろ過するフィルターの役目をし、体内の老廃物を尿として排泄します。そのフィルターの役目を果たしているのが「糸球体」です。糸球体にはろ過機能として、2種類のバリアがあり、それによって栄養分となる蛋白質はフィルターを通らないようになっています。その糸球体に障害が起こると、この2つのバリア機能が壊れてしまい、尿中に蛋白質が出てきます。
「血尿・蛋白尿」に関連する病気として次のものが挙げられます。
泌尿器科では尿検査のほかにまず超音波検査を行います。超音波検査は簡単に実施でき、また痛みもなく、がんや尿路結石の有無などさまざまな情報が得られる検査です。
もし、なんらかの疾患が疑われた場合には、さらにCTやMRI、採血、膀胱鏡などいろいろな検査を行っていきます。特に目視で確認できるほどの血尿は重要な病気のサインです。喫煙者でそのような症状の場合には、膀胱がんなどの疑いがありますので、尿のなかにがん細胞が混じってないか尿細胞診という検査を行います。また、痛みの少ないやわらかい電子スコープを用いて膀胱の中を観察したりします。
いずれの病気にしても、はやくみつかれば、それだけ体に負担のすくない治療が可能になります。おしっこをしていて、あれ!と思ったら、まずはご相談ください。
試験紙による蛋白尿の検査では、蛋白尿が出ているのか否かを調べます。反応の程度によって詳しい検査に移る流れになります。
尿検査にて蛋白尿が出ていることがわかったら次は、病気が隠れていないか調べていきます。
血液検査やレントゲンやCT、MRIなどの画像検査によってより詳しい状態がわかります。このような一般的な検査にて腎臓に病気がある可能性があれば、腎生検を行うことが多いです。