前立腺肥大症|北九州市八幡西区黒崎の泌尿器科【はらの泌尿器ケアクリニック】

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前立腺肥大症

前立腺肥大症|北九州市八幡西区黒崎の泌尿器科【はらの泌尿器ケアクリニック】

前立腺肥大症とは

前立腺肥大症

前立腺肥大症とは、その名の通り前立腺が大きくなることによって排尿機能にさまざまな障害が発生する病気です。しばしば栗の実に例えられる程度のサイズと形状で、膀胱のすぐ下に位置しており、膀胱から下へと伸びる尿道のまわりを取り巻くように囲んでいます。
この前立腺が何らかの原因で徐々に大きさを増していくことによって、隣接する膀胱や尿道が圧迫されて尿意が頻発するようになり、逆に尿が出にくくなるなどの排尿障害が引き起こされます。

よく見られる症状

前立腺肥大症では「排尿症状(尿を出すことに関連した症状)」、「蓄尿症状(尿をためることに関連した症状)」、「排尿後症状(排尿した後に出現する症状)」といった様々な症状がみられます。

排尿症状

「排尿困難」とは尿が出にくい症状の総称ですが、

  • 尿の勢いが弱い
  • 尿が出始めるまでに時間がかかる
  • 尿線が分かれて出る
  • 排尿の途中で尿が途切れる
  • 尿をするときに力まなければならない

などといった症状があります。

蓄尿症状

「頻尿」については一日に何回以上という定義はありませんが、

  • 日中に8回以上の排尿がある場合は「昼間頻尿」
  • 就寝後2回以上排尿のために起きてしまう場合は「夜間頻尿」

と考えられます。
「尿意切迫感」は急に我慢できないような強い尿意を感じることをいいます。尿意切迫感があり頻尿を伴うものを「過活動膀胱」といいますが、過活動膀胱では膀胱に十分尿がたまっていないのに膀胱が勝手に収縮してしまうのですぐに排尿がしたくなってしまいます。前立腺肥大症の患者様の50~70%に過活動膀胱が合併しているともいわれています。
また、尿が出し切れず、排尿後に膀胱内に尿が残るようになってしまうと膀胱にためられる尿量が減ってしまい、結果的に頻尿になることもあります。

排尿後症状

「残尿感」とは、

  • 排尿した後にどうもすっきりしない
  • 尿が残っているような感じがする

といった症状のことです。
また、尿をすべて出しきったと思って下着をはくときに尿がタラタラと漏れて下着が汚れてしまうことがありますが、これは「排尿後尿滴下」といいます。

前立腺肥大の進行と合併症について

前立腺肥大があっても、必ずしもすべて治療が必要になるわけではなく、前立腺肥大によって起こる症状がどの程度か、またどれくらい生活の支障となるかが重要です。
前立腺肥大症でも自覚症状が軽度であれば、経過観察で様子をみることになり、予防的に治療をする必要もありません。
しかし、前立腺肥大症が進行すると、症状の悪化のみでなく、次のような様々な合併症を引き起こすことがあります。

肉眼的血尿

前立腺肥大のために、尿道粘膜の充血が起こり、前立腺部の尿道粘膜から出血して、血尿が出やすくなります。

尿路感染

排尿障害のために、膀胱内に残尿が残るようなると、尿路感染が起こりやすくなります。

尿閉

膀胱内に尿が充満しているにも関わらず、尿が出せない苦しい状態となり、これを尿閉(にょうへい)と言います。前立腺肥大が高度なほど(前立腺が大きいほど)起こりやすく、飲酒、風邪薬の服用が尿閉を引き起こす要因として頻度の多いものです。

膀胱結石

膀胱内に常に残尿がある状態が長期間続くと、膀胱内に結石ができることがあります。

腎機能障害

膀胱内に多量の残尿が残るようになったり、排尿障害のために膀胱壁が高度に厚くったりすると、腎臓から膀胱への尿の流れが妨げられ、水腎症という腎臓が腫れる状態となり、腎不全になることがあります。

溢流性尿失禁
(いつりゅうせいにょうしっきん)

溢流性尿失禁は、膀胱内に常に多量の残尿が存在するために、膀胱内にそれ以上尿が貯められなくなり、まるでダムから水が溢れるように、尿道から尿が溢れ出て、いつも尿がちょろちょろと漏れる状態を言います。

治療の項目で後述するように、前立腺肥大症に対しては、まず薬物治療が行われますが、上記のような合併症を発症した場合には、手術による治療が行われることが多いです。

受診のタイミング

前立腺肥大症は、排尿に関する症状のため泌尿器科の担当です。年齢とともに誰にでも起こりうるもので、決して恥ずかしいことではありません。
上記にある症状が一つでも当てはまるようであれば、早めに受診してください。

検査/診断方法

排尿障害の原因となっている病気を診断するために、ひいては確かに前立腺肥大症なのかどうかを判断するために、主に以下のような検査が行われます。

前立腺特異抗原(PSA)検査

血液を採取し、前立腺がん発症時に増加する前立腺特異抗原(PSA)と呼ばれる特殊なタンパク質の血中濃度を調べることで、前立腺肥大症との鑑別を行います。

尿流量測定検査(ウロフロメトリー検査)

便器型の測定装置に向けて普段通りに排尿することで、排尿の勢いや量、出し切るまでにかかる時間などを計測します。

残尿測定検査

排尿後の膀胱に残された尿の量を測定します。尿道口(尿道の出口)からカテーテル(管)を挿入する導尿によって正確な量を測定する方法と、超音波診断装置(エコー)を通しておおまかな量を測定する方法があります。

超音波検査

超音波診断装置(エコー)を通して前立腺の大きさや形を調べます。

治療

当院でできる治療

【薬物治療】

α1受容体遮断薬・PDE5阻害薬

どちらも前立腺や膀胱、尿道といった排尿機能にまつわる器官の筋肉に生じている緊張を和らげる効果を持つ薬です。それにより排尿経路を圧迫から解放して尿を出しやすくします。比較的短期間で効果が現れやすい薬ですが、前立腺の肥大そのものは改善されません。

5α還元酵素阻害薬・
抗アンドロゲン薬

どちらも男性ホルモンの働きを抑えることで前立腺を徐々に小さくする効果を持つ薬です。それにより排尿経路を圧迫から解放して尿を出しやすくします。効果が現れるまでに数ヶ月を要する種類もあり、服用の継続に根気を要する場合があります。

漢方薬・生薬

前立腺の炎症を抑えて排尿障害による諸症状の軽減を促すために、漢方薬や植物エキス製剤、アミノ酸製剤などが用いられる場合があります。

【手術療法】

接触式経尿道的レーザー
前立腺蒸散術(CVP)

尿道から挿入した内視鏡下にレーザーを照射して、肥大した内腺を蒸散(蒸発)させながら、切除します。非常に出血量が少なく、大きな前立腺肥大にも行うことができ、術後の尿道へのカテーテル留置期間も短い利点があります。当院では、JCHO九州病院の開放病床を利用して、手術を行います。

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